2022年07月31日 21時34分
お題: 畑・庭・漢字
銃口
庭付きの一軒家に住む、ささやかな夢のために会社に尽くしてきたのに、なぜ俺はいま上司のために畑を掘っているのだ。ただプロジェクトに参加していただけなのに。
「人間が骨だけになるのに、そうかからない。それまでは漢字がわかれば生活できる国へ行く。その気なら顔も変えられる」と上司は言った。
名前も知らない人間を穴に横たえて土をかける。俺もいずれ消されるのか。「十分だ」上司の声とともに背中に銃口を感じた。