名無し の投稿一覧 (96件)

2022年04月16日 13時10分
お題: ストロー・付箋・ゴミ箱
一番人らしい存在。

紙で出来たストローで飲む油の味は美味しくない。彼女はそんなことを言う。私達に味覚なんて存在しないのに。まだ人類が存在していた頃に作られたロボット兵器。兵器に感情なんて不要なのに何故か作られたシステム。人の様に振る舞う為に、書籍に付箋を貼って学ぶ彼女の存在は元から異質だった。今では彼女が一番人間らしい。もうとっくの昔に人類は滅んだから。飲み終わった後の缶をゴミ箱に投げ捨てながら自分もそうかと呟いた。

2022年04月16日 12時08分
お題: ストロー・付箋・ゴミ箱
なんてことはない、ただのありふれた失恋の話だ

野菜ジュースを手にした女性が歩いている。タイトスカートにすっと伸びた背筋。ストローについた口紅の跡がいやに目に入る。そんなことを思っていると、ふと何かが落ちた。
肩を叩こうとした僕は、付箋の文字を見て即座に手を引っ込めた。
『今夜』とだけ書かれた筆跡は、仕事ができそうな男の姿を思わせる。端的な言は繰り返されたやり取りを意味していた。
僕は踵を返し、付箋を握りつぶしてゴミ箱に捨てた。吐き気がした。

2022年04月16日 11時34分
お題: ストロー・付箋・ゴミ箱
「ゴミはゴミ箱に捨てなきゃね」

「ゴミはゴミ箱に捨てなきゃね」僕の体じゅうにゴミと書いた付箋を貼り付けあいつは満面の笑みで言い放った。「クソ野郎が。絶対殺してやる」僕はそのとき誓った。時は流れ偶然にも復讐のチャンスが巡ってきた。ゴミ処理場で働くあいつを見つけたのだ。大量のストローを手に持ちあいつに近づく。そのままストローを口に詰め込み、ゴミ処理場の掃き溜めに突き落とす。「ゴミはゴミ箱に捨てなきゃね」僕はそっと呟いた。

2022年04月16日 11時10分
お題: ストロー・付箋・ゴミ箱
ゴミ箱暮らし

ゴミ箱の中で暮らしてはや五日が経つ。ここでの生活も悪くはない。ただ、最近、ストローでストロベリーアイスを啜る食生活にも飽きてきたので、そろそろ食生活を見直したい。食物規定で牛肉はオッケーにするべきだ…あゝ、また仲間が放り込まれてきたな、君はどこまで…、ええ、113pに付箋があるのか、まだ良い方さ。

2022年04月15日 11時52分
お題: ヘッドホン・背表紙・ビニール袋
猫のシラミ

夏が近づくと、『耳をすませば』の冒頭ように、陽気に夜のコンビニに行って、ヘッドホンでモンクを聴いて誰もいない家に向かって、ただいまの挨拶をする遊びをやるのだが、今日、玄関に入り、靴を放り、ビニール袋を脇に置いた所で棚の上に飴色の本があるのに目が溜まり、手に取ってみると、手に不思議な感触があって、背表紙を見ると、猫のシラミが沢山黄金の羽根のように付着してあり、僕は最高な気分でただいまと言った。

2022年04月15日 08時35分
お題: ヘッドホン・背表紙・ビニール袋
追憶

誕生日プレゼントでくれたヘッドホンを見るたびに彼女のことを思い出してしまう。どうしてこうなってしまったのか。アルバムの背表紙に書かれたずっと一緒にいようねの文字。彼女が記念日に作ってくれたものだ。思わず涙が溢れてきそうになる。こういうものも処分しないとな。まとめてそっとビニール袋に入れた。明日は燃えるゴミの日だったはずだ。